動物性の乳酸菌と植物性の乳酸菌

乳酸菌は、腸内の環境を良好に保ち、体の調子を良くしてくれる成分であることが広く知られています。そして、乳酸菌はヨーグルトやチーズなどの乳製品に多く含まれていることも、一般的によく知られている事実です。
この乳酸菌には「乳」という言葉が使われていることから、乳酸菌は乳製品にしか含まれていないものであると思っている人も多いかも知れませんね。ところが、実際には植物性の食物の中にも多くの乳酸菌が含まれているわけなのです。
実は、乳酸菌とは糖を発酵して乳酸などの有機酸を作り出す菌のことをいうのであって、直接「乳」とは関係はないわけなのです。したがって、乳酸菌には動物性のものと植物性のものが存在しています。
そして、動物性の乳酸菌は牛乳の中にしか存在しないのに対して、植物性の発酵食品などに含まれる植物性乳酸菌は、非常に多くの種類の食物の中に含まれていることになるのです。
その理由は、動物性の乳酸菌よりも植物性の乳酸菌の方が、栄養のバランスが悪かったり刺激が強かったりといった過酷な環境でも生き抜いて行くことが可能だからなのです。
例えば、動物性の乳酸菌は塩分の多いところでは生息することが出来ませんが、植物性の乳酸菌は塩分が高濃度である場所でも生息することが出来るのです。また、動物性の乳酸菌はほぼ単独で生息するのに対し、植物性の乳酸菌は様々な微生物と共存することが出来ます。